2年目の決意 広島・大瀬良大地 |
去年の暮れ、大瀬良投手は地元・長崎で、高校時代のチームメイトと1年ぶりに再会しました。 ── プロで1年やってみてどう? 大瀬良:アウト1個とるのも大変。自分の感覚的に6回、7回の気持ちで疲れたなと思って、もうそれぐらい投げとるやろーと思ってみたら、まだ2回終わりとか。それぐらい神経使ったり。楽しいなんてあんまり思えない。 新人王に輝いた大瀬良投手の1年目。手応えより課題を突きつけられたシーズンでした。 春先は持ち前の躍動感あふれるピッチングで結果を出します。5月までに5勝をマーク。 しかし、6月の交流戦で味わったのはプロの怖さ。ソフトバンクの強力打線に打ち込まれました。2回を投げきれず10失点。大きなショックを受けました。 また打たれるのではないか、登板前日になると蕁麻疹(じんましん)に悩まされるようになったのです。 恐怖心からマウンドで思いきり腕を振れなくなり、2ヶ月近く勝てない時期が続きました。 大瀬良:強い気持ちでいかないといけないという思いはあったんですけど、それよりも打たれてしまった残像とか、打たれてしまう怖さというのが勝ってしまった。 弱気になる自分を克服したい。オフの12月も練習を続けました。 大瀬良投手には繰り返し映像を見続けてきた憧れの投手がいます。 かつて広島で活躍した津田恒実さん。背番号は「14」 大瀬良投手と同じ番号です。気迫を全面に出して向かっていく姿は「炎のストッパー」と呼ばれました。 特に心を打たれたシーンがあります。その年の三冠王・バースとの対戦です。得意のストレートだけで真っ向勝負を挑み三球三振。 大瀬良:絶対に抑えてやるという気持ち。見ててもすごい感じるじゃないですか。 大瀬良:14番を背負わせてもらってますし、こういう気持ちで向かっていくところというか、受け継いでいくじゃないですけど、大事にしてやっていかないとけない部分でもあるのかなと思います。 津田さんのような投手になるために2年目の今年、力を入れてきたのが得意のストレートを磨きなおすこと。自分のストレートに自信を持ち、打者に向かっていくピッチングを貫いていきたいと考えていたのです。 大瀬良:弱気に入って打たれてしまうよりかは、自分がベストを出しきって打たれてしまうならしかたないなと思うボールを、一球一球投げていきたいなと。 迎えた今シーズン。向き合い続けてきた精神面での課題が試された試合がありました。去年の王者・巨人を相手に1点リードの8回。 打席には4番の阿部選手。長打は許されない状況です。去年なら逃げがちになっていた場面、磨いてきたストレートで勝負しようと、心に決めました。 大瀬良:打てるものなら打ってみろという。 この日最速、147キロのストレートで追い込みます。そして…。 最後もストレート。自分のボールを信じて投げぬきました。 強気のピッチングを必ず自分のものにする。大瀬良大地投手が成長を誓う2年目はまだ始まったばかりです。 ── NHK総合「サンデースポーツ」(26日放送) |
安芸の者がゆく@カープ情報ブログ
プロ野球・広島東洋カープに関連した情報等をお届けする個人ブログ。速報・話題・予想先発・2軍情報など