| カープ躍進の陰にこの男あり！ 球界最年長 名物スカウトの流儀 |
 「惚れたら、惚れぬけ」 その精神を最も体現するのが他ならぬ苑田だ。 苑田スカウト：これが今年の（注目）選手の報告書なんですけど。   統括部長・苑田の主な仕事は、各地のスカウトから自宅に送られてくる報告書を精査することだ。 だが、苑田は自ら現場に行く事をやめようとしない。  齢72、球界最年長スカウトとなった今も年間350試合はその目で見る。この日出向いたのは神宮球場。大学野球のリーグ戦を視察するという。  球場に入ったのは試合開始1時間前。この時間にいるのは熱心な野球ファンぐらい。  座るのは決まって同じ席。グラウンドからかなり離れた席がお気に入りだという。 ── もっと近いところのほうがよく見えるのでは？ 苑田スカウト：この距離感なら、投手や捕手に注目していても内外野の動きも見えますのでね。    見つけにいかない  苑田スカウト：見つけようと思ってみるんじゃない。じっとスタンドに座って見ていたら、思わぬところでいいところが出てきますからね。    苑田スカウト：こういうことができる選手やなとか。そういう感じの見方ですね。  人が人を見る。それは前評判や数字に縛られず、あらゆる選手に眠っている可能性を見抜く事だ。 苑田スカウト：この子なんかね。いいリストをしているんですけど、タイミングの取り方が下手なんです。  苑田スカウト：いいバッターになりますよ。それが分かればね。  こうして見い出した才能が、いまカープの躍進を支える。 例えば2017年シーズンで最多安打を記録し、最優秀選手に選ばれた丸佳浩。  高校まではプロで活躍するには厳しいレベルの投手だった。だが苑田は打者としての非凡な才能を見抜いた。   苑田スカウト：バッティングの時にハンドワークが柔らかくてね。  苑田スカウト：フォロー（スイング）が大きいから、おのずと打球も飛ぶしね。これは絶対にいけるなっていう感じ。  苑田スカウト：楽しいですよ。こうしてやりよったら。 苑田スカウト：疲れないです。いい選手を見た時はね。 苑田スカウト：シャワーを浴びたらビールがうまいですよ（笑）  ── NHK広島放送局「プロフェッショナル 仕事の流儀」（2017年12月21日放送）より |
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