広島・黒田博樹の魔球 球界騒然のフロントドア (後編) | ||
ツーシームという新たな武器を引っさげて8年ぶりに帰ってきた黒田。 近年、日本でもツーシームを投げる投手はいるが、黒田には他の投手とは違う”特別な使い方”がある。 それこそが魔球と呼ばれるボールの正体。 前田:どんなボールになるんですか? 黒田:インサイドで見逃しを取るという。 前田:左打者の体の近くから、遅く曲がってストライクになる。 黒田:そうですね。 前田:それがフロントドアですか? 「フロントドア」 ツーシームの狙いであるゴロを打たせるだけではなく、見逃しが奪えるボールだという。 直訳すると正面玄関。 ホームベースを家に見立てて、バッター側に玄関があるとする。その玄関に入っていくようにツーシームが変化することから「フロントドア」と呼ばれている。 黒田が日本で始めて投じたのはオープン戦の初登板試合。開幕カードでの登板が予想されるヤクルトを相手に2ストライクと追い込んでからの、この一球。見逃し三振を奪った。 ボールの軌道は投げた瞬間、インコースに向かうが、そこから真ん中へ。打者も思わず腰を引いてしまうボール。 これこそ魔球と呼ばれるフロントドア。 まのあたりにした対戦相手は…。 ヤクルト・藤井:見たことないですね。最初はボールだと思って避けたんですけど、気がつけばボールが真ん中近くにあったんで、すごいなぁと思いました。 ヤクルト・真中監督:日本で投げる投手はほとんどいないですからね。見たことのない軌道でくるボールなのかなと。 前田:曲がりが遅いということは、(打者が)判断した時にはボールなわけですから。おそらく(インコースの)ボールだと思って逃げる可能性があると。そうするとスッと真ん中に入ってくるんで。 黒田:打者の近くで曲げたいというのがあるんで、ストレートの軌道でいって、最後の最後で打者の近くで小さく強く曲がるというイメージの方が、今投げてるボールのイメージには合ってるんじゃないかなと。 前田:打者のどこかを狙って投げてるんでしょ?どのへん? 黒田:言えない事もたくさんあるんですけど、(打者の)体を目指して投げることもありますし、絶対曲げないといけないというよりも、曲がらなかったらそのまま行ってくれてもボールになるだけなんで。 黒田:そういう簡単というか、楽な気持ちで投げるようにしています。 フロントドアで重要なのはどこで曲がり始めるか、早く曲がり始めると打者に対応される。そこで黒田はできるだけ打者の近くでボールを変化させる。この技術こそフロントドアの極意。 前田:そういうボール(フロントドア)はいま黒田投手しか投げてないと思うんですけど。 黒田:でも現役時代の前田さんだったらたぶん打ってると思います。 前田:黒田さん、そういうのやめてください(笑) 前田:これから日本で真似をする選手が出てくると思うんですけど、前田健太投手とか、大瀬良投手、野村投手とかいらっしゃいますけど。投げ方はまだ聞かれてない? 黒田:どうですかね(笑)ご想像にお任せします。 ── テレビ朝日「報道ステーション」(18日放送)より「安芸の者がゆく」が文字起こし及び意訳・一部抜粋 | ||
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