愛するファンのために 新井貴浩(38)の覚悟 《前編》 | |
プロである以上、当たり前かもしれない。「覚悟」を持って戦う。それでもこの男の覚悟はいつも鬼気迫るものがある。 あの時も…。 新井:カープが…大好きなので…辛かったです。 そして今も。 新井:育ててもらったところで、燃え尽きようと思って、またお世話になると決断しました。 広島・新井貴浩(38歳) 古巣へ帰るには想像を絶する覚悟が必要だったはず。それはどれくらい重いものだったのか。新井がいま感じていることを聞きたかった。 8年ぶりの広島 石井:8年ぶりに広島に帰ってきたじゃないですか、どうですか?広島の風景は。 新井:昔いた時とはチームメイトもガラッと変わってますし、若くて良い選手が多いなというイメージですね。 世代交代の進む今の広島で、新井は復帰当初、控えが予想された。しかし、助っ人外国人の故障で巡ってきたチャンスを逃さず、その勝負強さで、チーム最多の64試合で4番に座った。 ピークを過ぎても 石井:阪神時代から力が衰えてるんじゃないかと皆見てたと思うんです。ご自分では「まだまだいけるぞ」という感覚? 新井:体力的には間違いなくピークから落ちてると思うんですけど、何か自分でも信じられないようなことが起こってるなと。 新井:一度は出て行った自分を温かく迎えてくれて、すごい声援を送ってくれるファンの人にちょっとでも良い思いをしてもらいたいなと。その気持ちが体を動かしてくれているんじゃないかなと思います。 ファンのためにプレーする。けして綺麗ごとではない新井の本音。 阪神に移籍した時、我が家のようだったスタジアムでブーイングを浴び、打席に立つのは怖くないわけがない。 予想外の歓迎 新井:ブーイングや罵声の中でプレーする事も覚悟して帰ったんで。 新井:最初、マツダスタジアムで打席に立った時は代打だったんですけど、僕がネクストバッターズサークルに出た瞬間に球場がワーッと盛り上がってくれて、それでもう鳥肌が立って。 まるでタイムスリップしたかのように、真っ赤の声援の中心に新井がいた。 観客:かっとばせー新井!!新井!新井!あらいー!あらいー! 新井:ずっと鳥肌が立っていて、打席では足が震えてましたね。こんな経験をこの歳になってさせてもらえて嬉しかったです。 新井の覚悟が認められた瞬間だった。 復帰への覚悟 石井:帰ると決めた時は、相当な覚悟が必要でしたよね? 新井:本当に悩ましたね。出て行く時と同じか、それ以上に悩みました。 石井:だからこそ、その声援が嬉しかったんですね。 新井:ハイ。 新井:今度は自分のプレーで少しでも喜んでもらいたいと思って、そういう気持ちにさせてもらってると言った方が正しいかもしれない。 ── フジテレビ「LIVE2015ニュースJAPAN&すぽると!」(3日放送)より「安芸の者がゆく」が文字起こし及び意訳 | |
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