新クローザーとしての覚悟 |
── 開幕から1ヶ月近く経とうとしていますが、今はどんな状態ですか? 中崎:悪くはないですけど。もうちょっと結果がついてきてくれればよかったかなと思います。 今年プロ5年目を迎える22歳。その年齢の割には、ちょっぴり癒し系モデルの持ち主・中崎翔太。 今やカープのブルペン陣には欠かせない存在となったが、2015年シーズンは思わぬ形で幕を開けた。3月27日、地元広島での開幕戦。エース・前田健太が7回124球の熱投のバトンを、4番手として引き継いだ。 この試合、2イニング目となった延長11回につかまり敗戦投手となった。 中崎:本当に(前の投手に)申し訳ない気持ちがありますし、周りの人から見たら中継ぎの人は短いイニングだからしっかり抑えてくれというのがあるかもしれないですけど、そういうのは自分が1番感じています。 チームで最初に喫した黒星。その悔しさを胸に与えられたポジションで腕を振り続けた中崎。ここまで9試合を投げ0勝2敗、防御率4.22。見た目の数字こそかんばしくないものの、開幕から試合終盤のブルペン陣を支えてきた。 そんな男に先週、ある転機が訪れた。それは…。 クローザーへの配置転換 ── クローザーという重要な役割に配置転換ということになりましたが、その心境は? 中崎:特に自分では深く考えていないです。やるべき事というのは特に変わりませんし、しっかりと打者を抑えることは、どこのポジションでも一緒なんで。 ── 「ちょっと背負うものが大きくなったな」とか、「プレッシャーを感じてしまうな」とかは? 中崎:背負うものというか、そのあたりに関しても今までと同じかなという風に思いますし、8回にいても、7回にいても、勝ち越されたら中継ぎとしてはダメですし。それが9回になったからと言って変わることはないので。 若干22歳の若鯉が、静かに語ったクローザーとしての覚悟。実はそんな中崎の成長について、昨シーズンオフ「恋すぽ」スペシャル企画の中で、ブルペンを支える仲間達が興味深い一面を話題にしていた。 一岡:自分でテレビを見ていてどう思う?目つきが変わるなって思う?帰ってテレビ見たりとかして、自分が投げるやつ。 中田廉:でもこんなんじゃなかったよ。今年の最初も去年とかも、こんなんじゃなかった。 中田廉:普通に穏やかに投げていたけど、今年途中でいきなり変わりだしたよ。いきなり変わったよな? 中崎:まぁ、そうですね。後半戦に入った時からですね。 注目した点はマウンド上での表情。その真意を本人に聞いてみると。 ── 顔があきらかに変わってきてますよね。 中崎:どうですかね。 なかでも昨シーズンの7月と9月の表情の変化が印象深い。 中崎:野村前監督に話をしていただいて、自分の中でも気持ちのコントロールがしっかりできるようになってきましたね。 ── 野村前監督からは? 中崎:「自分を信じて投げろ」とか、「思いきり投げるだけだろ」と話をしていただいて、そのあとぐらいから(この顔つきに) ── にらみつけているかのような? 中崎:どうなんですかね。良い方向に全部向いてくれたかなとは思います。気持ちが安定したことで。 気持ちの安定から生まれた表情の変化。先週の金曜日には自身初となる三者連続奪三振。気迫のこもったピッチングがチームに勇気を与えた。 中崎:自分でも三振は全部とりたいですけど、なかなかうまくいかないので、まずはしっかりと捕手が構えた所に投げるということを意識しています。 防御率リーグ2位を誇る投手陣。そのチームにおいて、もっとも重要ともいえるポジションを任された男は、勝利だけを信じて腕を振り続ける。 クローザーとしての覚悟 中崎:自分としてはまだ抑えとしての仕事は一回もしてないので、これから始まるとは思うんですけど、自分の人生もそうですし、他人の人生も左右する仕事ですけど、今までと変わらず1球1球しっかりと投げて、8回とか9回というのを特に意識せずに、しっかりと打者を打ち取っていけたらいいと思います。 ── 広島ホームテレビ「勝ちグセ。サンデー『恋すぽ』」(26日放送)より「安芸の者がゆく」が文字起こし及び意訳・一部抜粋 |
安芸の者がゆく@カープ情報ブログ
プロ野球・広島東洋カープに関連した情報等をお届けする個人ブログ。速報・話題・予想先発・2軍情報など