新・3大 プロ野球 引退試合の “粋なお膳立て” |
新・3大 プロ野球 引退試合の「粋なお膳立て」 まずは2013年10月3日、広島東洋カープ・前田智徳。 孤高の天才の最後をアシストしろ! (「プロ野球B級ニュース事件簿」著者・久保田龍雄) まず有権者に訴えたいのは、この前田は広島ファンだけでなく野球界にとって特別な存在であること。 そのバッティングを、イチローや落合ら超一流選手が認め「天才」と評された前田。しかし、23歳の時にアキレス腱を断裂。 それ以降は満足に走れなくなったが、それでも2000本安打を達成するなど、野球界の至宝として君臨してきたのであります。 しかし、そんな前田も42歳となり…。 前田智徳:ツラい野球人生でした。 遂に引退を決意するのです。 迎えた引退試合の8回裏。 ── 6番、小窪に代わりまして…前田!バッターは前田! 大歓声の中、打席に立った前田。 孤高の天才はピッチャーゴロで、その打撃の追求に幕を閉じたのです。 実況:前田の最後の打席が終わりました。 これにて主役の出番は終わり。しかし、広島ベンチは前田に粋な計らいをするのであります。 迎えた次の回、9回表…。 実況:グラブを持って、前田が…マツダスタジアムのライトに向かいます! 代打出場した次の回、前田をカープファンで埋め尽くされたライトの守備に着かせたのです。 前田は足が悪く、晩年は代打一筋だったので、4年前に出来たこのマツダスタジアムで守備につくのは初めて。 広島ベンチから前田へ、そしてファンへの粋な計らいなのです。 数年ぶりの守備に前田の顔は緊張気味。しかし、「前田に思い出を…」というプレッシャーは対戦相手の中日にもかかっていたのであります。 そのプレッシャーとは。 解説(山本浩二):ドラゴンズの打者がライトを狙っているような感じがしますね。 中日打線は前田にライトフライを捕らせようと頑張っているのです。 しかし、1人目の藤井はつい左方向に打ってしまい1アウト。 2番の大島は…。 実況:打ち上げた!前田のところまでは届かないか! ちょっと距離が足らずセカンドフライ。 実況:前田のこの表情です(笑) もう2アウト、「良い感じのライトフライを打たねば」と気負う3番の森野は。 実況:これは長打コースになる! ちょっと飛ばしすぎ。ライトには飛んだけど、欲しいのはこの画ではないのであります。 カメラは前田しか撮っていないが、二塁上では…。 解説:セカンドに行った森野がね。「しまった、ツーベースにしちゃった」みたいな感じで、すまなさそうに頭を下げていましたね。 そして2アウト・ランナー二塁。土壇場で登場する4番の平田は右打ちの名手なのです。 投手の久本も外角しか投げずに平田をアシスト。 平田と久本の2人でライトフライ微調整状態なのであります。 2人のお膳立てに場内は大歓声。その間、主役の前田は…。 実況:前田も大変です(笑) 足が悪いのに永遠と走っているので、もうヘロヘロなのであります。 良かれと思いライトにフライを飛ばそうとする2人。それによってどんどんヘロヘロになる前田。 ファンはこの人間味溢れるシーンを記憶に刻むのであります。 そして11球目。平田の努力も及ばず最後はセカンドゴロ。 実況:前田智徳、マツダスタジアムのライトスタンドをよくぞ守り抜きました! 孤高の存在だった打撃職人は、最後に皆の暖かい気持ちに包まれてユニフォームを脱いだのでありました。 というわけでこの試合を「新・3大 プロ野球引退試合の“粋なお膳立て”」の一つとさせて頂きます。 ── テレビ朝日「マツコ&有吉の怒り新党」(18日放送)より「安芸の者がゆく」が文字起こし及び意訳・一部抜粋 |
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