ドラフト会議の裏側 カープスカウトに密着 |
「運命」のドラフト会議。この日に運命を託すのは未来のスター候補達だけではありません。 彼らを発掘するスカウトにとっても、1年間の活動に答えの出る運命の日でもありました。 尾形スカウト:良い緊張感でドキドキしながら…楽しみです。 カープ球団のスカウト・尾形佳紀さん(37歳)。関東地区を担当しています。 スカウト歴7年目ながら、これまで鈴木誠也、田中広輔など1軍で活躍する選手を発掘してきました。 白武スカウト部長:推薦する選手が上(1軍)で活躍してるんで、投手にしても野手にしても見る目があるかなと。 尾形スカウト:自分が惚れた選手には、何回も足を運んで誠意を見せたいなというのはあります。 尾形さんは元選手です。社会人からドラフト4巡目で入団し、俊足巧打の内野手として活躍しました。 2009年に引退後はスカウトに転身。高校、大学、社会人を経験した事で豊富な人脈を持つ尾形さんには、訪問先の指導者も厚い信頼を寄せています。 新日鉄住金・鈴木監督:誠実な方ですよね。そういう方がいるところで選手にもやってもらえたらなと正直思います。 明治大学・善波監督:いつも細かく選手を見てくれてありがたい。 尾形スカウト:(こまめに)グラウンドに足を運ぶことで監督さんから情報もらったりとか、色んな話が出来ますので。 尾形さんはスカウト転身後、関東に移住。妻と二人の子供と4人暮らしです。 子供と過ごす貴重な時間 尾形スカウト:帰ってきて子供の顔を見ただけで、疲れが吹っ飛ぶというか、あまり遊ぶ時間がとれないですけど、時間がある時は一緒に野球をやったり、サッカーをしたり。 尾形スカウト:一回は野球をしている姿を見せたかったというのは正直あるんですけど、そこまで野球が出来なかったので。 ケガとの戦いだった現役時代。思うようなプレーが出来ない悔しさがありました。スカウトとなった今、関東を駆け回り思いを託す選手を発掘する日々です。 ドラフトの1ヶ月前、選手の視察に足を運ぶ尾形さんの姿がありました。 お目当ては即戦力として評価の高い社会人の横山弘樹投手です。 左手にスピードガン、右手にビデオカメラ。球種や球速を自らの声で吹き込み、データを収集します。 尾形スカウト:チェンジアップ・118キロ・空振り三振。 この日は四球3つと制球に苦しんだ横山投手。それでも6回途中2失点と粘りを見せました。 尾形スカウト:本調子ではなかったですけど、ゲームはしっかり作れましたから。今後も楽しみな投手。 そしてドラフト当日…。 ── 横山弘樹、投手・NTT東日本。 晴れてカープから2位指名という高い評価を受けた横山投手。尾形さんの1年間の思いが実った瞬間でした。 尾形スカウト:他の球団に取られるかと思ったんですけど、残っていてくれてよかったなと。 尾形スカウト:ケガをしないで、ずっと頑張ってくれるような選手を今後も指名していきたいと思います。 夢半ばで断たれた選手の道、それが今の原動力。チームが求める まだ見ぬ原石を求め、尾形さんは今日も汗を流します。 スタジオへ ── いかがですか? ノムケン:やはりスカウトは大変ですよ(笑) ノムケン:今回、尾形スカウトは選手を獲得できる担当だったので良いんですけど、他にも多くのスカウトがいて、良い選手がいるのにチームの編成上獲れなくて、それで他球団に行かれると、すごく辛いと思うんですよね。 ノムケン:そういった意味では絶対に獲れる保障がない中で、たくさんの選手を見て、獲得出来たというのは嬉しいと思いますし、暑い中でスピードガンを持って、ストップウォッチを持って、メモを取りながらスカウティングというは…。 ノムケン:我々も現場でやらせてもらいましたけど、彼らがいるから出来ることですから感謝したいですね。 ── 広島テレビ「進め!スポーツ元気丸」(25日放送)より「安芸の者がゆく」が文字起こし及び意訳・一部抜粋 |
安芸の者がゆく@カープ情報ブログ
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