| 代打の神様・小窪哲也 |
小窪哲也。言わずと知れたカープの代打の切り札。  今季も4割近い代打打率をマーク。試合終盤、ここ一番の場面で勝負を決める一打を放つのはまさに職人芸。そんな小窪の代打論に迫ります。  究極の「代打論」 ── 痺れる展開で本当に必要な存在だなと思ってるんですけど、そのあたりの役割はご自身ではどう思われていますか？ 小窪：本当に今は大事なところを任されることが多いですし、打席に入るのが怖いこともあるんですけど、なんとか自分の出来る限りのことをして、後悔のないように打席に立つようにはしています。   ── 怖さというのは？ 小窪：僕の前に一生懸命 塁に出てくれた人とか、試合の流れというものがあると思うので、そこは僕も勢いをつけれるように、（流れを）止めないようにとは思っています。   心の準備 代打として打席に立つのは主に試合の終盤。では小窪は試合中、自分の出番が来るまでどんな準備をしているのでしょうか。  ── 試合中はどのように観ていますか？ 小窪：相手投手、先発投手の配球とか、どういう調子で投げているのかとか、得点圏だとどういう攻め方をしているのかとか、そういうのを見てますね。  ── 試合中に体を動かしたり、心拍数が上がってくるのはいつぐらいですか？ 小窪：4回ぐらいですかね。でもやっぱり想像してたりしたら…1回からそういう気持ちではいますけど。気分が悪くなったりするんで、裏で。  脳内チェック 一発勝負の大きなプレッシャーと戦う小窪。極限に近い状況の中、打席に入るまでにはどんなことを考えているのか。その頭の中を探るべく、一枚のフリップを用意しました。  小窪：ど…どう書こうかなコレ。  悩みに悩んだ末に書き上げた代打に向かう時の頭の中とは…。  ── 一番割合の中で大きいものは…ドキドキ！小さく「負けたくない」 小窪：言葉で言うのは難しいんですけど、やっぱりちょっと弱気になるところがあるというか、色んな場面でやってはいけないことがあると思いますし、そこを考えすぎちゃうこともあるんで。割り切って勝負しにいくというか。  ── ワクワクの気持ちも大きいんですね。 小窪：あれだけお客さんも応援してくれてますしね。成功した時の気持ち良さというのは…そういうのは想像してますね。 ── 1本出ればヒーローに直結するような場面だったりするじゃないですか。 小窪：やっぱりおいしい場面というか、そういう気持ちもありますね。 打席の中でさまざまな考えが巡るという小窪。しかし、そんなことすら気にならない究極とも言える打席が時に訪れるそうなんです。  小窪：ゾーンに入る時、ものすごい集中して余裕がある時がありますね。   小窪：東京ドームで澤村投手と対戦した時だったか、9回2アウトでアウトになったら終わりという場面で、どんなボールが来てもイメージが湧くというか、どんなボールが来ても対応できたっていう。   小窪：そういう打席の時って首を痛めるんですよ。次の日ものすごく痛くなる。自分でも分からないぐらい力が出てるんでしょうね。   癒しの○○ 体に異変が生じるほど極限の勝負に挑んでいる小窪。しかし、家に帰るとその疲れを癒してくれるものがあるそうなんです。  ── 気持ちのリフレッシュになっているものというのは。 小窪：奥さんと愛犬がいるんですけど、その3人でメシ食う時ですかね。奥さんが犬に怒るんですけど、僕の心が痛いです。朝とかどれだけ眠くても犬が怒られてたら起きますね。「もうやめたって！」    ── それだけ心を通わせているんですね。 小窪：カワイイですね～。  終盤戦への抱負 ── 最後にこれからの意気込みと、どんな秋を迎えたいか。 小窪：去年の夏場に失速した悔しさが自分の中にすごく残ってますし、なんとか今年はそういう場面でやり返したいなという思いがすごく強いんで。  小窪：秋に（シーズンが）終了するまで、笑っていられるようにしたいと思います。  ── テレビ新広島「全力応援 スポーツLOVERS」（15日放送）より「安芸の者がゆく」が文字起こし及び意訳・一部抜粋 |
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