広島・黒田博樹(40)の苦悩 |
黒田:石井さん、引退してからどうですか? 引退 40歳、黒田博樹が口にした思いがけない言葉 黒田:早く辞めたいなと思う時もあるんですよ。 その時はもう間近に迫っているのかもしれない。しかし、黒田にはやらなければいけないことがある。 入団会見時の黒田:今度は僕がファンの人たちの気持ちを動かしたい。 広島ファンに恩返しがしたい。その思いが黒田を突き動かした。 日本球界復帰後初勝利、広島は歓喜に包まれた。 黒田:体が続く限り、チームのために投げていきたいなと思います。 この1ヶ月前、黒田は石井にある思いを明かしていた。 黒田:すごい恐怖心もありますし、アメリカで失敗する時よりも怖いと思うんで。 メジャーで成功を収めた男でさえ感じたのは、計り知れない重圧。だからこそ石井は今、黒田に聞きたいことがあった。 8年ぶりの広島 石井:今シーズンここまでどうですか? 黒田:良い試合もあれば良くない試合もあったので、ちよっと波があるというか。 ここまでの成績は7勝5敗。防御率は2点台。熟練された技と経験でローテーションの一角を守っている。 つかめない登板感覚 石井:メジャーの時って中4日、中5日のペースで投げていくじゃないですか、精神的にオフにしないままいけるけど、日本って長い(中6)でしょ? 黒田:登板感覚が長くなれば(体の為にも)良いじゃんと思う人もいると思うんですけど、休みもあって、登板感覚も空くと気持ちの部分で一回切ってしまう部分があるんで、そういう部分での難しさは自分でも感じています。 黒田は日米で異なる登板感覚にとまどいを隠せない。さらにメジャーで最大の武器としていた打者の手元でわずかに変化するツーシーム。日本に復帰後もこのスタイルで勝負していたが、今はその形も変化している。 日米の違い 石井:メジャーの時というのは早めの勝負を打者も仕掛けてくるし、日本の打者は結構きわどいところはカットとか。 黒田:粘られたり、ファールにされたりして球数が増えていくというゲームが結構あったので。 石井:インコース、ツーシームの変化を少し変えている気がするんですけど。 黒田:ボールの変化の仕方というのが、向こうで投げていた時とはたぶん違うので、同じインコースに投げるにしても内に入りすぎたりすることがありましたし、それでボールになってカウントを悪くしてということもありました。 投球術の変化 石井:スプリットとか、インコースだけではなくてスライダーになっている期間があったり。 黒田:全てが試行錯誤で、毎試合毎試合本当に探りながら、相手を見ながら投げているというのが現状かなと思いますね。 このように黒田は様々な苦悩を抱えている。しかし、相手にとっては超一流の投手に他ならない。 ヤクルト・山田:実力もそうですし、名前負けしてしまうという部分は多少はありますね。 DeNA・筒香:(打者に)迫ってくる感じもありますし、慌てる様子が全く見えないんで、やっぱり全然違うなと。 選手からも一目を置かれる黒田。ファンの期待もさらに高まっていく。 ファンの声援 石井:神宮とか、かなりすごい声援だから、マウンドに立つと鳥肌立ちます? 黒田:アメリカではない事なので、その期待に応えたいという気持ちもありますし、夢の中にいるような感じですけど、それだけ声援送ってもらって打たれると…。 黒田:球場から帰る時に僕のユニフォームを着ている人を結構見るんで、すごく申し訳ない気持ちになりましたね。 失敗への恐怖心 石井:アメリカで失敗するより日本で失敗するほうが恐怖心があるとキャンプの時に聞いたんですけど、今でもそう思いますか? 黒田:ファンの人がどれほど僕に期待しているのかが数字的な部分を含めて分からないですし、そういう部分での難しさはあると思います。 自らの苦悩を告白する黒田。さらに思いがけない言葉を口にした。 引退をしても 黒田:石井さん、引退してからどうですか?引退したら野球をやりたくなるものですか? 石井:やりたいというより勝ちたい。勝った時の気持ちってどうです? 黒田:勝った時の気持ちっていうのは一瞬でなくなるんですよ。嬉しさというのが。次また4日後か5日後に投げないといけない。そっちの怖さ、また今日も準備してマウンドに上がるんだと思うと、早く辞めたいと思う時もあるんです。 石井:すごい分かります。責任感があるからヤダと思うんですよね。 黒田:辞めると開放されて良いのかなと思うんですけど。 石井:これだけ勝負に徹していたら、辞めたあとに勝ち負けを欲してくるというか。勝ちたいと思う。 引退が近づいているのは確かだが、あの時、ファンと約束したことがある。 入団会見時の黒田:今度は僕がファンの人たちの気持ちを動かせれればいいかなという。 男性ファン:いてくれるだけで充分です。 女性ファン:いつまでもいてほしい。 女性ファン:カープにとっては外せないメンバーだと思っています。 この男に夢を膨らませる24年ぶりのリーグ制覇。最後に石井はこんな質問をしてみた。 24年ぶりの優勝 石井:広島はいま4位で、落ちるか上がるかというところで、ここからの目標は? 黒田:いつ壊れてもいい年齢ですし、やり残したことはもうほとんど自分の中ではないと思うので、あとはもうこのチームで優勝するというのが現時点での目標です。残りの試合が大事になってくると思いますし、その中で精一杯投げていってチームに貢献できればいいかなと。 ── フジテレビ「すぽると!」(16日放送) |
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